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レン
【二次創作 官能小説】

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レン-19

「勘弁してくれ……」
常務は泣き声をたて、がっくりと膝をついた。
「あら残念。」
彼女はCzをしまった。
「せっかく常務と楽しめると思ったのに。」
そして素早く扉に歩み寄ると鍵を外した。俺もその間にナイフを元の袖へとしまった。
扉が開き、田端の部下が部屋の中に足を踏み入れた。部下は部屋の中央にひざまずいている田端を驚いたように見つめた。
「なにがあったんです?」
部下が沈黙を破り口を開いた。
彼女は肩をすくめてみせた。
「常務さん、勃たなかったのよ。」
俺は彼女の言い様に、笑いを必死に堪えた。
そう、田端は彼女と楽しむ最初で最後のチャンスを逃したのだ。


その後、俺は田端にある薬を飲ませた。
ダークネスに似せて作った睡眠薬だ。
彼女は田端に天国旅行を楽しんでもらう事にしたと説明し、只の睡眠薬である事は伏せておいた。
それはこの後、田端とトラックジャックとの関係を吐かせる尋問の為だ。
彼女に必要以上の心配をさせるつもりはない。
だが優れた観察力を持つ彼女の事だ、不自然なトラックジャッカーへの迎撃が田端からの指示である事や、田端がトラックジャッカーと繋がっている可能性についても、とっくに気付いているかも知れない。
そしてそのままレストランの個室に田端を置き去りにし、俺達は店を出た。
田端の部下も俺に大人しく従い、共に店を出た。
この部下も田端と共に、尋問を受けてもらう事になるだろう。

俺の考えている計画はこうだ。
まず彼女とは別々に行動し、田端の部下をINCに引き渡す。
そしてレストランに置き去りにした田端をINCのバックアップに回収させ、二人に尋問を行う。二人にはトラックジャッカーとの関係を含めた知っている情報全てを吐いてもらおう。
情報を吐かせた後部下はそのまま身柄を拘束し、田端には本物のダークネスを飲ませ、再びレストランに放置する。
十錠ものダークネスを一度に接種すれば、言葉を話す事もままならず、酷い禁断症状に苦しむ事になるだろう。もちろん奴の口から俺と彼女のした事がばれる心配も無い。おそらく精神や神経は異常をきたし、記憶すら不確かな物となるだろう。
そんな田端が仕事に従事する事など出来るはずもなく、いくらコネがあると言っても組織は田端を放り出すか、消すかするだろう。
そうなれば、常務という重役を失った組織は必ず欠員を補おうとする。
そしてそこで開かれるのは、社長を含めた部長以上全ての重役が一同に会する“重役会”だ。
俺にとって一番理想的な捜査の終結は、密造地を突き止め、組織の全ての幹部とアゲハの様に流通に関わる人間達が逮捕される事。
“重役会”の様に、組織の幹部達が一同に会する現場を摘発することが出来れば、それは正に理想的だ。
それまでに俺自身が密造地を突き止める事が出来なかったとしても、幹部重役の口から聞き出す事は出来るかも知れない。
そして重役達が全て拘束されれば、どんなに閉鎖的で秘密主義な組織でも壊滅は免れない。
おれは組織に“重役会”を開かせるべく、計画を実行に移した。
彼女には俺からの連絡を待つように言い、俺は田端の部下を連れてINCの日本駐在官事務所へと向かう。
そしてその途中バックアップに連絡を取り、田端の身柄を確保させた。
さぁ、尋問の始まりだ。
だが俺は直接二人の尋問には携わらず、駐在官事務所に揃った二人をバックアップのエージェントに任せた。
それは俺の本当の上司であり、この組織に対する捜査の一切の責任を負うライファーにこれまでの報告と今後の計画を話す為だ。


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