投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』の最初へ 特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』 61 特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』 63 特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』の最後へ

特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.5-9

「瀬田、どうして女子のスカートが2種類なのか知っているか?」
短くなった煙草を灰皿に押しつけながら言った。
「紺色のスカートとチェック柄のスカート、2種類あるだろ」
そう言えば、と瀬田が頷いた。
派閥の様なものかと思っていたが、単にファッションだと最近は理解している。洗い替えとか気分に合わせてとか。
「あれは、それなりに意味があるんだってよ」
ちょっと興味が湧いてきた瀬田が視線を寄越した。そんな小動物的な様子に大河内は目を細める。
本当は興味があるのにわざと知らない顔をする。そう言う所がまだまだ子どもだ。
「あれはな、………………………………夏用と冬用」
にやっと笑って大河内が答えた。ぶつかってしまった視線が物凄く恨めしい。
聞くんじゃなかった。聞きたがるんじゃなかった。
瀬田は物凄く後悔しながら眉間に皺を寄せた。
「真剣な様子で聞いちゃって」
馬鹿にした様子で笑う。そんな大河内を、今手元に弓矢があれば射抜くのに、と心底瀬田は思った。
「悪い悪い。あんまり真剣だったから、つい、な。スカートの事は俺だって詳しくない。推測するに、生地の違いで夏用と冬用かと思っただけだ」
ぷいっと横を向いた瀬田をなだめる様に大河内は続けた。
「それに、白石が今日から居なくった事も、今朝の職員会議で初めて聞いた」
大河内にしては饒舌に、しかも正直に話していた。
瀬田は昨日の出来事が夢では無い事にまた涙腺がゆるみかけたが、奥歯に力を込めて受け流した。
「勘で言うわけじゃないんだが、白石が大事にしていた男って、瀬田、お前なんだろ」
今の状況で首を横に振り、言い訳を並べる程の余裕は無かった。瀬田は縦にゆっくりと首を振った。

「白石は昔からダメな女なんだ。自分から切る癖が今でも治らない」

(……自分から?)

「知りたいか?どうして切ったのか」

瞬時に頷いた。瀬田に迷いは1ミリもなかった。
大河内が嫌いだとか、弥生の昔とか、そんなのお構いなしに瀬田は聞きたかった。

「聞いた事に後悔しても?」

「……後悔しない。聞かない方が苦痛だ」

「長くなる」

「構わない」

微動だにしない瀬田を満足げに眺め、大河内は席を立って部屋の隅にある小さな冷蔵庫を開けた。
「貧血で倒れたんだ。他に迷惑を掛けたくないなら食え。大丈夫、話は逃げない。幸い、今日の俺の授業はもう無いからな」
そう言って机の上に飲むゼリー飲料とブロックタイプの栄養補助食品を並べた。
さすがに家庭料理が出て来るはずは無いと思ったが、この有様は余りにも……

「……………適当すぎ」

「適当は俺の代名詞だ」

そして大河内の長い話が始まった。


特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』の最初へ 特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』 61 特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』 63 特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前