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秘中花
【幼馴染 官能小説】

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秘中花〜堰花〜-2

突如。
「うぁ…!っ、…っっ!」
神聖な床に、鈍い音が響き渡る。亜蓮の身体が崩れ、あの怜悧な無表情までもが崩れた。
「お前は無駄に多情だからな。亜蓮…」
そう組み敷いて、宗家は袴着を乱暴に開ける。
「嫌だ…宗家…」
整った黒髪が乱れ、露になったきめ細かな雪肌、赤くにじんだ目元で抵抗する亜蓮。
その強情さえも、宗家の加虐心を煽る。
罪深くも愛しい…。
「亜蓮、SEXで舞が変わる…そう仕込んできたのは私だ。簡単に誤魔化せるほど私の目は節穴ではないよ」
13歳まで宗家の内弟子として共に過ごし、解して以来の通い稽古は“情事”という名の口実。
ささいな変化にも何1つ見逃してくれない。
「っ…うはぁぁ…!!」
乱暴な衝撃に、亜蓮は見開く。
萎んだままの肉茎を、掌でつぶす勢いで掴まれたのだ。
「私の知らぬ間に、何人の男を咥えたんだが…えっ?それとも女か?」
宗家の一語一句が嫉妬と伴って、亜蓮を脅かす。
何も今回が初めてではない。儚くも美しい亜蓮を、周りが放っておかないのだ。
自らそう仕向けておきながらも未だ衰えぬ欲望。否、執着心と言うべきか。
(気高ければ気高いほど、嬲り手折りたくなる…)
赤黒く毒されてゆく夜叉に突き動かされながら、宗家は亜蓮を追いつめる。
手の中の肉塊を罰するように揉んでは扱き、虐めるように先端を強く弄る。
「いっ、っ、ひぃぃ…」
引きつる痛みに尻を締めながら、きつく歯を食いしばる亜蓮。
その一方で、宗家の口舌が亜蓮の上半身をねっとりと優しく彷徨う。
無理矢理かき出された苦痛が、やがて快感と綯い交ぜになって体中の細胞を甘く侵す。
「あっ、はぁ…!」
脂汗が吹き出る。
いやがうえにも高まる。
視神経の奥で靄が広がる。
どうかなりそうだ…っ!
宗家の残酷さが、先日までの凛子との幸せな痕跡を消してゆく。
そんな亜蓮を楽しむように、宗家は指にあふれて絡んだ先走り汁を強情な菊蕾になすりつける。
「く、ふぅ…」
ふっと甘い声がもれた。
今でもまだ慣れない肛交。
だが長年仕込まれてきた肉体が、亜蓮の意思と裏腹に熱く馴染んでゆく。
(俺は浅ましい…!)
「もう…俺を放して。もう…十分でしょう…」
ずっとずっと何年も願ってきた。
(俺は…俺だけになりたい…)
もう、心の通じない色欲に塗れて生きるのはうんざりだ。欲しいのは、たったひとり。
宗家の端正な唇が、笑みでゆるく釣り上がる。
「ならん。お前は花だ。私が渾身を込めて育ててきた。今さら手放せるか、亜蓮…」
恥ずかしいほどに綻んだ蕾は宗家の牡を含んで、憎らしいほどに温かく亜蓮を穢す。
冷めてゆく脳裏の隅で、凛子を想いながら…。


 絶望で『幽玄』を
 色気で『花』と
 表すために、
 ―――俺はこの身を
 堕としたんだ。


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