年上の事情。‐プロローグ-3
新入社員その3、
鳴海淳吾(22)
――‥
子供がモデルっていうのは結構大変なものである。走り回るわ、ケンカするわ、泣きだすわ‥
特に冬物だから、「暑い〜」とごね出す。
鳴海淳吾、他の2人に比べると特に目立つところもなく‥
おっ。
鳴海くんが撮影待ちしている子供たちに交じって遊んでいる。こういう場では子供の相手をするのも大切な仕事。
「子供、好きなんだね」
思わず聞いてしまう。
「はいっ!」
鳴海くんは満面の笑顔をあたしに向けた。
か、かわいい‥
「‥スター☆スターズってブランド名、これから来てるんですね〜」
スタジオ中を見渡しながら彼は微笑みながら言った。
「子供たちも、メイクさんもカメラマンも、それから五十嵐さんも永瀬さんも、みんなキラキラしてます」
「うん。子供のあの笑顔はパワーになるよね」
あたしは嬉しかった。そしてあたしも見回した。祝さんも立花くんもいい顔をしていた。
仕事ではつい厳しくなってしまうけど頑張ってほしいと思った。
不覚――。
男の人を、かわいいと思ってしまった。
あたしの周りにはどんどん年下が増えていくのか‥