絶対的トライアングル-2
***
時は放課後。
俺はロボットみたいに、約束のクローバー畑に向かった。
右手と右足は同時進行。
直立不動で、彼女を待った。
「・・・!!!常波さん・・・」
きたっ・・・やっぱ可愛い・・・!!!
何キョロキョロしてんだろ。俺ここにいんのに。
あ・・・こっち来た。よし!クールに、カッコ良く!!
「あの・・・多田君、見ませんでした?」
なんで多田?
「見てないけど、どうかしたの?」
「わ・・・私、・・・多田君に告白して・・・ここに来てって手紙書いたんです。」
・・・ピッ、ピッ、ピッ、プーン
「え・・・じゃあこれは・・・」
俺はポケットから常波からの手紙を取り出した。
途端に、彼女の表情が真っ青になり・・・
冒頭へ戻るわけだ。
***
「間違えたって・・・なんでっ!?俺じゃなくて、多田!!?」
「はい・・・間違えちゃってスイマセン。」
ノコノコ手紙を返す俺。
あぁ・・・神様の裏切り者ぉぉぉ!!
「本当にご迷惑かけてスイマセンでした。では、失礼します・・・」
この様子だと俺の名前も顔も知らないみたい・・・ショック・・・
彼女は頭をペコッと下げて去っていった。
取り残された俺は、ただただ佇んで、叫んだ。
「ちっくしょょょょぉぉぉぉ!!!!!」
でもこの出来事は、ほんの序章。
この先には悲劇と幸運が待ってることを、俺はまだ知らない。