朧月夜と満月と…-8
「陽、私……陽のコト…好き…みたい……」
みぃがうるんだ瞳で、俺を真っ直ぐ見つめている。
『好き』の一言が嬉しくて…つい涙が出そうになる。
「ねぇ、陽…キス…して?」
まるで満月に浮かされた時の様な甘い声…誘われるまま唇を重ねた。
何度も何度も、朝が来るまで…
お互いの気持ちを確かめ合うかの様に……
幼馴染みから恋人へと移る俺達の関係…これが月が仕掛けた悪戯だとしても、俺はそれで構わない。
この甘い時間と関係が、ずっと続くのならそれで良い。
生まれたばかりの恋人同士のキスを、澄んだ空気の中で輝く月だけが見ていた。
― FIN ―