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朧月夜と満月と…
【幼馴染 恋愛小説】

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朧月夜と満月と…-2

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「み、みぃ?ど、どうしたんだ?いきなり…」
いきなりみぃに抱きつかれて、俺は情けなくも、慌てふためいてしまう。
「ねぇ、よ〜ぉ…ぎゅ〜ってして?」
みぃは俺の首筋に頬を擦り寄せながら、何とも甘ったるい声を出している。
「お、お前…何言って……」
「じゃ〜ぁ、イイコイイコして?だめぇ?」
みぃにうるんだ瞳でおねだりされて、心臓が破裂しそうな程にバクバクする。耳鳴りがしそうな程だ。
「ねぇ、よぉってばぁ…」
俺の気も知らないで、みぃは更に甘えた声を出す。
まったく…どうなっても知らないからな?

俺はみぃの背中に腕を回し、片方の手でその柔らかい髪を撫でた。みぃの髪から、シャンプーのいい香りがする。
みぃは納得したのか、嬉しそうにまた頬を擦り寄せてきた。
「もっとぉ…もっとぎゅ〜ってして?」
ったく…我儘なヤツめ……
俺は希望通り、みぃを強く抱き締めてやる。でも、すぐにその腕を緩めた。
みぃの体はとても細く、折れてしまいそうな気がしたからだ。
「だめっ!」
腕の力が弱まった事に気付いたみぃが、不満を漏らす。
「でもなぁ、みぃ…」
「じゃぁ、チューして?」
「は?」
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
みぃの言葉に、俺の頭が真っ白になる。
「チューして?」
「それは…ダメだって……」
「やだやだやだっ!」
みぃが俺の胸に顔を埋めたまま、首を左右に振る。

今更だけど俺は、昔からみぃのおねだりには弱い。
結局断る事が出来なくて、最終的にはいつもみぃの言いなりになってしまう。
今日だって俺は、結局負けてしまった。

「わかったよ、みぃ…」
後で怒るなよ?
俺の言葉に、みぃが弾けた様にパッと顔を上げる。目を輝かせながら…
俺はみぃの顎を持ち上げて、軽く唇を重ねた。

「……これで満足だろ?」
俺の口からは、溜め息混じりな声が出た。これ以上みぃに求められたら、ハッキリ言ってかなりマズい。マズ過ぎる!
でもみぃは納得していないらしく、頬を膨らませてムスッとしている。
「だめっ、もっと!」
「勘弁してくれよ…」
「やだぁ、もっとして?」
「でもなぁ、みぃ……んっ!」
俺が言い終わるよりも先に、みぃが俺の首に腕を絡ませて自ら俺に唇を重ねた。
引き離そうとしても無理で、挙げ句の果てには、俺はみぃに押し倒される形になった。
部屋中に、俺達の唇が重なる音が響いている。
繰り返される深く甘いキスに、抵抗するのも虚しくなっていく。
いつしか形勢は逆転し、俺の方から進んで唇を重ねて、夢中で更に深いキスを求めていた。


急に首に回された腕から力が抜けて、俺はハッとして我に帰る。
「みぃ?大丈夫か?」
呼び掛けてみてもみぃからの返事は無く、ぐったりと俺に体を預けている。
なんとなく嫌な予感がし始めた時、すやすやと静かな寝息が聞こえてきた。
良かった、寝ちまったのか…

安心した俺は、みぃの軽い体を抱き上げて、そのままベッドに寝かせる。
みぃの唇にはまだキスの跡が生々しく残り、俺の心を締め付ける。


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