秘密〜和馬の祈り〜-4
4 秘密
〜和馬の祈り〜
「え・・・・?」
驚いたように皐が目を見開く。
「ナニ?・・何なの!?」
「落ち着け、皐!!」
暴れる皐を抑える。
「何で私がっ!」
「皐!!」
ぱしっ、と皐の頬を軽く叩く。
「・・・っ」
「はい、ストップ」
俺と皐の間に、手が差し込まれた。
「皐は、落ち着け。んで、和馬は少し頭を冷やせ」
はいはい、と離す。
「翔・・」
「翔ちゃん・・・」
「いっやぁ、美人二人に名前を言われると照れるなぁ」
かかかっ。翔が笑う。
ー翔の笑顔が眩しい。 こんな時でも笑顔を見せてくれる、・・・それだけで有りがたい。
「ごめんなさい。・・和に当たっちゃって」
少し落ち着き、皐が話す。
「突然・・・だったから」
「皐・・・・」
ぎゅっと皐を抱き締める。
「ー・・側に、居てくれるの?」
泣きながら見上げてきた。
「当然!!友達だろ」
翔が、わざとらしく両手を広げる。
「嫌、じゃないの・・?こんな、ー・・・移るかもよ?」
不安そうな顔が、少し歪んだ。
その顔に、少し安心する。
「そんなの関係ない。皐は、皐だ。何も変わってない。だろ?」
抱き締める腕に力を入れる。
「っありが、とぉっ」
力強く抱き締めかえされた。
自然と、涙が溢れる。皐の細い躰が、とても愛しい・・。
「おーい。俺を忘れないでくれるー?」
「「あ。」」
「コラ、忘れてんな」
「ははっ」
皐の顔に笑顔が戻った。
その姿を見て、ほっとする。
ー翔が居てくれて、良かった・・・。