『DIVE』-1
まだ、君を見てるだけで済んだのに。
君が不自然に笑うから、その訳を知りたくなってしまったんだ。
僕はいつだって曖昧に笑うだけなのに、君は僕の眼を見て言ったんだ。
それから君を見ない日はなかった。 あの頃に戻りたいとは思わないけど、やはり悔いは残る訳で。
だからあの時笑った訳は、未だ僕の中で固まり続ける。
今はもう届かない。
君を想う事も許されない。
君に幸あれ。なんてキレイな言葉、言えるなんて事もできなくて。
夜に一人で思い出す。
君はいつもキレイだって。
あなたはいつだって輝いていたって。
穴があいた心を抱いて、僕はどこへも飛べなくなった。