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暗黙の了解
【エッセイ/詩 恋愛小説】

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暗黙の了解-1

カナ、結婚おめでとう

あたしとカナが知り合ってもう5年だね
あの頃毎日のように一緒にいたよね
あたし達とアイツ

いつからかお互い隠し事をするようになってた


あたし、見たんだ
カナとアイツが一緒にいるところ
そのあと時間差で待ち合わせ場所に来たよね
あたし二人が話してくれるの待ってた

でも仕方ないか
気付いてたんでしょ
あたしがアイツのこと好きだって

ショックだったよ
カナとアイツが付き合いだしたことではなくて
そのことを二人が話してくれなかったことが

だから二人の前から消えた


次にアイツを見たとき
隣にカナはいなかった



久しぶりの再会は
お互い好きな人の話ができたよね
今すっごく大好きな人がいるって

あの時のことを
まるでなかった事にするかのように


カナからもらう手紙には
いつも最後に
「ごめんね、そして、ありがとう」
って書いてあった
その言葉はすごく重くて
いつも胸が痛かった


5年たった今でも
あの時のことはお互い触れない
そして、これからも

暗黙の了解


カナ、ごめんね
そして
ありがとう

そして
結婚おめでとう
幸せになってね


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