続・来世ポイント-1
「はあはあはあ、やっとここまできた」
俺を覚えているだろうか?
そう、人間に生まれ変わる気まんまんだったのにポイントが無いという理由でノロウィルスに生まれ変わってしまった、あの時の魂さ。
ふっ、あれから大変だったんだ。五回もノロウィルスをやったんだ!五回も!
なぜそんなにノロウィルスをやったのかって?
ふっ、意外とノロウィルスはおいしいのさ!ノロウィルスになって現世に行ったと思ったら薬であっという間におだぶつなことがシバシバ、しかし加算されるポイントは多い、俺は遂に人間になるための500ポイントを貯めたのさ。まあおかげでノロウィルスは規制がかけられ最近では、なり手が少なくなった。現世でも流行らなくなったろ?そういう訳よ。
「おい、93052325869658番、なに一人でぶつぶつ言ってる?とっとと並べ!!」
(くっ、この腐れお役所天使が!いつか眼球にフリスクぶちこんでやるからな)
しかしいつもどおり、受け付けの天使と何やら揉めてる魂が多いな。ちゃんと俺みたいに計画立てないからだよまったく、まあ人の不幸はなんとやら、耳を傾けてみるか。
「てめえ、ざけんな。俺は必死こいてポイント貯めたはずなのに何で減ってんだよ!」
「ん?知らないの?それぞれの生きものには減点ポイントがあるんだよ」
「は!?俺がいつ減点されるようなことした!?」
「お前犬の時、サラ金のCM出たろ?あのせいで不幸になったオジサン激増したのよ」
「知るかそんなもん!!こうなったらヤケだ、くらえーー!」
おお、あの魂突撃したよ
「はい、さよなら」
「ぎゃーーす」
おっ下界に飛ばされた何にされたんだろ?
「まったく、僕に逆らう奴はインキンタムシにするからね」
おっかねー!
「次!!」
お、俺の番か!ついにきたぜ今度こそは幸せなヒューマンライフを満喫しちゃる
「あ、あの500ポイントあるんで人間にしてください」
「うーん」
「え?どうしたんですか?」
「いやね、別にいいんだけどさあ、500ポイントぴったりしかなかったら顔や性格にポイント振り分けられないじゃない」
わ、わすれてたーーー!!そうかそっちに振り分けるポイントもいるんだ!人間になることだけしか頭になかった。
「い、いや、しかし俺はもう限界だ、もう昆虫だのばい菌だのうんざりなんだよ!」
「いやだから別にお前なんてどうでもいいけど振り分けポイント0で人間やるって結構チャレンジャーよ」
「わ、わかりやすくお願いします」
「まあ君一回人間やってるからこう言えば分かると思うけど、振り分け0ポイントで行ったら最低でも
超不細工な上に性格最悪、体臭はファブリーズでも消せないくらいすごく、生涯彼女、友達いない歴=年令=生涯童貞、おまけに超貧乏で頭はすこぶる悪い、運動神経は笑える程悪く、性格は最悪、プロ野球チップスのカードを外から触ってキラってるカード付きのやつしか買わない近所のガキにまで卑怯呼ばわりされる始末、まあこんなとこかな」
そ、そそそそんな、生き地獄じゃないか!みすみすポイントドブに捨てるようなもん、いやしかし人間であることに変わりはないし、いや、でも
「さあどうすんの?」
どうする?どうすんのよ俺?
カモーーーーンライフカーーード!!
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「ゴキブリでお願いします」
THE END