刃に心《第22話・人は何故、争うのか?》-12
◇◆◇◆◇◆◇
バラバラとけたたましい音をたてて空になった薬莢が散らばる。
その先では藍色の忍装束を着込んだ者達が崩れ落ちていく。
「…これで4チーム目か…」
何とか上の階に辿り着いたものの、その過程で何回も戦闘をすることとなった。
弾薬は減っているが、此処まで一人も欠けることがなかったのは、ある意味奇跡であった。
「…ぐっ…」
一人の忍者の手が空を掴もうとする。
パーン。
「…」
それを千夜子がハンドガンで撃ち倒す。
千夜子は実家が実家だけに見慣れているのか、その手元が狂うことは無く、時には仲間の危機を救い、時には敵を無慈悲に撃ち倒す。
『お知らせします。残りのチームは2つとなりました。どちらも死力を尽くしてください』
突如としてスピーカーが語りだした。
「もう少しですね…」
その場にいた者全員が思わず、ふぅ、と息を吐いた。
「さあ、生き残って温泉に行きましょう♪」
にっこりと微笑む朧。普段なら疲れを感じる疾風までも同じように笑った。
───ターンッ!
ゆっくりと朧が倒れてゆく。
その向こう側には黒いフード付きの外套を身に纏った謎の者達。その中の一人が長い砲身を疾風に向けていた。
「先輩ッ!」
疾風が朧に駆け寄る。だが、朧が返事を返すことは無かった。
「突如として現れた謎の集団。
遂に仲間を失った疾風達。
果たして、戦いの行方は!?
気になる結末は………………
続く…