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刃に心
【コメディ 恋愛小説】

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刃に心《第21話・一戦去って、また一戦》-6

「これって…」
ちょうどその時、扉が開いた。楓が仁王立ちで疾風を見下ろしている。

「…結論が出た。ひとまず、入れ」
「あのさ、これ…」
「後で聞いてやるから入れ!」

有無を言わせぬその口調に疾風は仕方なく部屋に入った。
部屋に入ると、楓を含む四対、8つの視線が疾風に集まる。

「結論はだな、誰と行くかを疾風に決めて貰おうということとなった」
「はぁ?」
「当然であろう。皆、お前と一緒に温泉…あ、いや…お前の力を借りたいと言っておるのだ。最早、お前は当事者なのだぞ」

そう言われ、疾風はぐるりと部屋を見回した。
誰もが黙ったまま、疾風の答えを待っている。

「さあ、決めろ!疾風は誰と大会に出て、誰と温泉に行きたいのだ?」
「あのさ、ちょっといいかな?」

疾風はおもむろに切り出した。

「何だ?」
「俺は1人だけっていうのなら決められないよ」
「なっ!?どうしてだ!?」
「あら、何だか思わぬ方向へ転がり出しましたねぇ♪」
「あ、アタシは…いいよ…
本当はアタシだけを選んで欲しかったけど…
でも、疾風が決めたことなら…」
「……私も構わない…」

すると楓は何とも言えない表情で疾風の顔を見つめた。

「疾風は…疾風はそれで良いのか?」
「ああ。だって…」

疾風はチラシを取り出し、ある一文を指差した。

「これ、7人チーム制だから」
「「「「あ…」」」」


続く…


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