スイートホットミルク #1-1
夏真っ盛りの七月、
僕の中学校は修学旅行の為に東京へ向かっていました。
僕、湯元 照(ゆもと しょう)は飛行機の後ろで揺られながら景色を見ていました。すると、
「ねぇ。」僕に呼びかける声。
何だ、と思って振り返ると、
僕の隣に浅石 晶(あさいし あきら)が座り、
「少しの間だけ、隣、借りるね。」と言って、すぐ通路を挟んで話し始めた。
晶が笑うごとに僕に絡み付く髪。少し甘い香りがした。
晶は喋り疲れたのか、静かに眠り始めた。僕の肩に頭を乗せて。
眠るのも仕方ない。
何故なら今日は五時半出発だった為、晶等の深夜組は殆ど飛行機内で寝ていた。
(ね、眠れない・・・。)
心の中で嬉しい悲鳴がこだましている。
「ん・・・柔らかい・・・」
僕の頬を触って晶は言った。
「・・・可愛いな・・・晶の寝顔 。」晶の寝顔を撫でた。
一時間半程の甘い一時を僕は過ごした。 #2に続く。