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ルームメイト
【その他 官能小説】

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ルームメイト2-1

あの日から二週間かぁ…―――――


俺は皿をひたすら洗いながら、ボーッと考えていた。
まさかアキラと一緒の風呂に入ることになるとは…。
しかも俺、アキラの体…触っちまったし。
自然と顔がにやける。
あれ、所謂「手マン」ってやつだよな…?
18歳にしてやっと…女の体触ること出来ました、俺!
さすが都会は違うわ…、刺激的な出来事がいっぱいだ!
鼻の下を伸ばしながら「クククク…」と笑っていると、
「くぉらぁ!!加藤!!お前ぶっ飛ばされてぇのか!」
板長のゲキが飛ぶ。
「すっ、すんませんっ!!」
まだまだ皿洗いの身、仕事中は雑念無用だ。
「花澤ぁ!!ゴミまとめろっつっただろ!!」
板長のゲキがアキラにも飛んだ。
ところでアキラはその後どうしたかというと、雑用係として働いている。
仕事初日、バレたらシャレになんねぇと思いハラハラしてた俺をよそに、アキラはバッチリ男装して見事「男」をやりきった。
「花澤晶っす。ウース」
みたいな…。
こっちがビックリしたっつの。
よく聞けば、学生時代ずっと演劇部だったらしい。
「演じる」ってことに、何の抵抗もないわけだ。
でも中身はやっぱり女だけあって、重い物持てねーわ疲れるとぶっ倒れるわで、先輩達に散々「使えねぇ」と言われていた。
俺もそこはフォローしきれないというか…それが現実だ。
でもウマいタイミングで雑用係だった人が辞めて、それをいいことに立候補したのがアキラだ。
ゴミ集め、厨房美化、衛生管理、靴磨き…つまり、皆が面倒でやりたくないことは雑用係がやるような仕組みだ。
これならアキラもなんとか出来たらしく、毎日怒鳴られながら頑張っている。
「す、すいません!!今すぐやります!」
慌ててゴミ集めに向かうアキラ。
こんな感じで俺たちは、なんとかやっていた。



今日も仕事を終え、俺はクタクタの体を引きずりながら下宿へ戻った。
「あぁ〜…疲れた…」
部屋のノブを回すと「カチャッ」と開いた。
どうやらアキラの方が先に戻ってきていたようだ。
「おー…お疲れさーん」
アキラに声をかけ、俺はドサッと布団に倒れ込む。
「今日は参ったよなぁ〜…急に会合入ったから20人前とか言うしよー」
今日の仕事のグチを、いつものようにアキラに語り出す。
だが、今日は何故か反応がない。
自分の布団にもぐったまま、こっちを見ようとしない。
なんだ?機嫌わりーのか?
まぁいいや、と、俺はまず汗を流すべく風呂へ向かった。

「まなびや」の仕事は、早番遅番のローテーションで成り立つ。
俺たち新人は慣れるまでの3ヶ月、早番出勤と決まっていた。
朝6時からの掃除、そこから散々コキ使われて、終わるのは夕方5時くらい。
遅番の奴らは午後1時出勤…羨ましい。
仕事を始めて一週間になるけど、俺でさえやっとこのキツさに慣れてきたくらいだ。
何気に体力勝負になるこの世界だけに、俺はアキラのことが心配だった。
だって…スポーツやってた俺でさえキツイのに。
しかも女なら尚更、「生理」とかあるじゃねーか。
貧血でぶっ倒れても、心配してくれるほど甘い世界じゃない。
今日なんかアキラ、結構走り回ってたしな…
しかも最近あいつ元気ねーし…
俺は頭からシャワーを浴び、とりあえずアキラと話をしてみようと思った。


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