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溶けない雪
【レイプ 官能小説】

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溶けない雪-1

「…ふぅ、本当はこんな事したくないんですよ?」そう言って笑うユキの視線の先には両手を紅い飾り紐で戒められたカオリがいた。

今は寝息を立てて、これから自分に起きることなど知る由もない。

事は昨晩起こった。
「ごめんなさいは?!」
いつも勝ち気なカオリは、対照的に穏やかで「ごめんなさい」が口癖の彼氏のユキに少しイライラしていた。二人は付き合って6年にもなるが、お互いの対照的な性格が災いして喧嘩が耐えない。くっついたり離れたりを繰り返して今にいたる。
何も知らない祖母から会うだけでもいいからとお見合いを勧められ、アンタがハッキリプロポーズしないからじゃない!と喧嘩が始まった。
と言ってもカオリが一方的に言いたいことを言うだけであるが。
いつものたわいもないやりとりだった。
ユキの煮えきらない態度に不安を感じたカオリの「じゃもういいや、お見合い受けちゃうから」というセリフで一度幕を閉じたかのように見えた。

「すいません、僕が甲斐性無いばっかりに…そんな事言わないで下さいよ。機嫌を直してくださいお嬢様?」とユキは困ったように笑った、しかし確実に歯車が狂い始めていた。

カオリはふてくされると、買ってきたチューハイを一気に飲み干した。(もっと思いっ切り引き止めてくれたっていいじゃない…ばかゆきっ!あたしはお見合いなんかやだよ?)
そう思っていてもカオリはなかなか素直になれずユキに悪態をつき続けていた。
「どんな人かな、ユキより男前ならそっちに転んじゃうかも(笑)スッゴく男前って言ってたし〜♪」「ひょっとしたら会ったその日にラブラブになっちゃうかもよ?人の心は分かんないし!」と何度か煽ってみたものの、ユキはまるで子供を扱うかのように「まだ怒ってるんですか?」とまた困ったように笑うだけだった。
カオリはお風呂から上がると、ハライセに祖母の用意した赤い振袖を自ら着付けてきた。
「どう?生け花やってるから着付けもできるのよ?」自慢気にユキの前に出るが、ユキは先にソファーでうたた寝を始めたようだった。
「…ホントにくっついちゃお…」最後の憎まれ口をポツリと呟くと、振袖はおかまいなしにベットにうつ伏せになりモヤモヤと考えて居たが、お酒とお風呂上がりの心地好さが手伝ってそのまま深い眠りに落ちていった。

ユキはずっと内心穏やかではなく、当然眠ってなどいなかった。
まだ明るい部屋でゆっくりと立ち上がるとカオリの眠るベットに腰掛けた。

「…あなたを誰かに渡すわけ無いでしょう?」
悲しそうに笑うと
色が合わない!とカオリが使わなかった紅い帯の飾り紐を手にした、カオリの両手をきつく戒めるが、目を覚ます気配はない。


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