溺れていく-1
こんな…こんな所で…
此処は満員電車のはずだ…
そして私は出勤途中…
初体験もまだ
オ○ニーだってした事もない
電車に乗り込むと、いつも通り奥まで押され、ドア横の手摺りに掴まり…
周りにはこんなに大勢人が居るのに…
なのに…
私は…痴漢の指によって…絶頂に導かれようとしていた…
もうだめ…何かが来る…
と、その時、痴漢の指がスっといなくなった
私はほっとする中で、何かがモヤモヤするのを気付かない振りをしていた…
それから…
毎週金曜には同じ事が待っていた
器用に動く指…
呼び起こされる何か…
そして、最後が見えそうな、寸前で止められるもどかしさ…
いつしか私は、金曜が待ち遠しくなっていた…
相手の顔も名前も何も知らない
なのにあの指が愛おしい
いつか、見えそうで見えない何かを…
あの指が教えてくれる…