「気づいてほしぃ」-1
ただあなたを遠くで見ているだけ…
あなたは私をどう思っているんだろう…
私はあなたの名前を知ってる。でもあなたは私を知らない。
近くにいるけど、あなたの中には私はいない。
話したくても何を話せばいいかわからない。
目すらも合わせられない。
いつも忙しそうなあなた。変わってヒマな私。
どんどん距離は広がるばかり…
すれ違う。私の心臓はバクバクしてる。でもあなたはそんなことは全然ないんだろうなぁ…
ある日珍しく私は忙しい。
あっちへこっちへ振り回される。
ドン
誰かとぶつかった。
「あっ、スイマセン」
「こちらこそスイマセン…大丈夫ですか」
「はい。」
あの人だった…
初めて目が合った。初めて話をした。
これであなたの記憶の中に私が小さく残ったかもしれない。
でも、すぐに消えてなくなってしまうと思うけど…
fin