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カラスが飛ぶ空
【推理 推理小説】

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カラスが飛ぶ空-1

躓き編


平成19年3月

これは、ある予兆からの出来事を書留た物である。

私は観測者にはなれない、これを見た人にこの役を頼みたい…。



―予兆は、学校にある坂道に差し掛かった時にあった。
何事もない普段どうりの日、天候は穏やかで雪は降ったりしたが積もりはしない、道路も凍ってはいなかった。
普段どうりの日のはずだったが…躓いた。
大した事では無いのだが、そこには躓く物が無かった。
私はこれを何等かの予兆とみた、以前も鳥居の飾りが片方なくなっていた事もあった、これは以後何か起きる予兆に違い無いと確信した。

―今は帰る途中のバスの中で書いている。外では急に雪が降りだしていた。
そういえば…友人と坂道で、この絶妙な天候が〜などと話しているとき、〜雪が降る、と言っていた事を思い出した。
予知した…とまでは思わないが、天候が変わり始めた事は事実だ、これも予兆だろうか?何かが起きれば、予兆は正しい

―次の日、ニュースで、昨日あの躓いた場所で変死体が見つかった事がわかった。
詳細は身元が判らないくらいにずたずたに切り刻まれ辺りに血がかなり飛び散って、見付からないはずがなのに死亡時刻は発見した日より数日前だという事らしい。
今までのはこれの予兆だったのだろうか?



―何かにつき動かされるように躓いた場所へ向かった、昨日と同じような空模様、昨日と同じ所に烏がいる、昨日と同じ光景、あの場所へ行けば何かあると確信していた。





これが遺体付近に落ちていたメモだ。
去年と同じようにメモを書いた本人は行方不明になっている、このメモには日付が書かれていない為、詳しい事は判らないが死体が発見されたのは数日たってからの事だ。
この事件は謎が多い、毎年同じように、何も無い所で躓いて、何等かの方法で身元不明の死体の事を知り、躓いた場所に行くと書き、行方不明なり、殺害される。
止める事はできないのか…躓いた人さえ区別出来れば………。


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