恥ずかしがりやのあなたとわたし-1
由紀は今まで男の人と付き合った事が一度も無かった。
由紀は男の人の顔を見ると緊張してしまい、うまくしゃべれなくなってしまうため、うまくいったことが無いのである。
世の人はそれを純情だとか可愛いだとか言ってくれるが由紀の大きなコンプレックスになっていた。
ある日、由紀は何時もの様に母に起こされ、寝ぼけ眼で朝食のトーストをかじる。
そして何時もの電車に乗り、途中で友達とおしゃべりしながら何時もの様に高校に行く。
今の学校生活が楽しくないわけじゃないがやっぱり男の子と関わりたい、付き合いたいと思うのはお年頃ってやつなんだろうか。
そんな事を考える自分に恥ずかしくなりながらペンを回していると昼食の時間になった。
お弁当箱を開けると、そこには相変わらず感心してしまうくらい手の込んだおかず逹が自慢気にひしめき合っている。
その豪華さと手の込みように、母の優しさを感じ、思わず笑みがこぼれる。
ふと窓の外を見てみると男女が一緒にお弁当を食べてる。
彼女が作ったのだろう。そのお弁当をとてもおいしそうに食べる彼氏を見て彼女はちょっと頬を赤らめながら優しい笑顔で見ている。
「・・・いいなぁ」
由紀は思わずつぶやいた。