reality ability‐第2話‐北の町、white town‐-9
‐昨夜、集神城の誠慈の部屋‐
〈コンコン‥‥〉
「誠慈、入るぞ。」
〈ガチャ!‥‥〉
凰輝は誠慈を待たずに半ば勝手に入る。
「‥‥勝手に入るなよ!まぁ、いいが‥」
当然、誠慈は怒るが気にはしなかった。
「‥‥皇希君と話してきた。‥‥誠慈、彼には彼の考え方や主観がある。それそろ解ってやれ。」
「‥‥いやだ。」
凰輝は誠慈を諭すが、誠慈は当然の如く断る。
「やれやれ、昔の自己中心の誠慈はどこにいったんだか。」
「うるせぇ。‥‥で、何しに来たんだ?」
「そうだった。‥‥明日の事だが、お前らの所の四天王も倒すな。‥‥嫌な予感がする。」
「わかった。」
凰輝は真剣な顔で言った。流石の誠慈も断りはしなかった。
「所で、親父も殺さないのか?」
「ああ。‥‥織音様と話し合った結果だからな。恐らくは皇希君もそうするだろう。」
「‥‥‥」
「でだ、もしかしたら相手も“禁断詠唱”を使って来るかも知れない。だから、その時は“解幻”と言え。」
「何故だ?」
「相手の“禁断詠唱”を回避、または解除出来るだろう。」
「‥‥何故、親父が知っている?」
「教えられない。」
「‥‥‥」
誠慈は実の父親なのに睨む。だが、凰輝は怯むことはない。逆に凰輝が睨み返す。すると、誠慈は顔を反らす。
「わかった。俺はもう何にも言わない。」
「ふっ、その内解るさ。皇希君が全てを知るからな。教えてくれるのかは解らないが‥‥」
「‥‥‥」
誠慈はいつになく真剣な顔で聞いていた。また、凰輝も真剣、そのものだった。
「親父、何故なんだ?」
「何がだ?」
「何故、そんなにアイツの事なのに一生懸命になるんだ?」
「‥‥‥」
「もしかしたら、アイツの“真実”が俺らの事にも関係があるのか?」
「‥‥あると言えばある。だが、お前が知ったところで皇希君には勝てない。いや、勝てるはずが無い。」
「っ!!」
誠慈は皇希にまた挑もうとしてたらしい。‥‥何度も負けているのに‥‥
「‥‥バカ作者。殺してやりてぇ‥‥」
所詮、誠慈が抵抗しても作者の自分には何にも出来やしない‥‥