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fantasy ability
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reality ability‐第2話‐北の町、white town‐-8

「その構えも即席だろ。‥‥いくぜ!」

〈シュ‥‥〉

祐は誠慈へと近寄る。すると、誠慈は手に力を込める。

「‥‥神威流剣術‥‥二想霞断(にそうかだん)!」
「ふん、絶対に驚かないよ!何をやってで‥も‥‥!!??」

〈ヒュン!ギィン!ヒュヒュン!ギィィン!ヒュン!ギィン!‥‥〉

誠慈は両腕を巧みに使い、鞭のようにしならせ、両方の剣はあらゆる軌道を描く。また、誠慈はその場所から動かずにいた。
祐は予測出来ない攻撃をただただ受け止める事しか出来なかった。しかも、身体が勝手に誠慈へと引き込まれていく。

「どうした?受けてばかりじゃ、俺には勝てないぞ?」
「っ!‥調子に‥乗るな!!」

〈ヒュン!ギィン!ヒュン!!ギィィン!‥ヒュン!ギィン!ヒュン!ギィィン!‥‥〉

祐は反撃に出る。しかし、誠慈は余裕で受け止める。攻撃が見事に決まらないせいか、祐は少し離れる。

「くっ!‥‥どうやら、迷いが消えたらしいな!?」
「ふっ、お前のお陰でな。‥‥さて、その“禁断詠唱”を解け。」
「‥‥何の意味か、解らないな。」
「仕方ないな。‥‥“解幻(かいげん)”。」
「なっ‥‥!?」

祐の身体中に描かれた紋様が一瞬にして消える。

「一体何をしたんですか!?」
「ちょっとした“禁断詠唱”だ。‥‥とは言っても、理(ことわり)は無視出来ないが。」
「“禁断詠唱”!?」

誠慈の意外な言葉に祐は驚く。

「こっちにも知っている奴がいるからな。‥‥イメージキャンセラー。」

誠慈は幻想具現化をしまい、刀も鞘にしまった。

「ぐふっ!ごほっ!‥‥はぁはぁ‥‥」

今頃になって、“禁断詠唱”の悪影響が祐を襲った。祐の口からは大量の鮮血が溢(こぼ)れる。辺りの雪は白から赤に一瞬にして変わる程だった。

「‥‥何故、敵になったんだ?」
「‥‥‥」

誠慈の問いに祐は無言のままで方膝を地に着けていた。顔もうつ向いていた。顔からは答えは見えなかった。

〈ザクッザクッ‥‥〉

雪が踏まれる音がする。誠慈はその音の方向を見る。すると、光が傷だらけの結を両腕に乗せながら、歩いてきた。
結は目を閉じていた。結の口からは小さな呼吸音が聞こえる。紋様も消えていた。

「大丈夫よ。ちょっと血を吐いたけど、命に別状は無いわ。」
「そうですか‥‥」

祐は光から結を抱(だ)き抱(かか)える。

「‥‥そうか。光はあの状態の解除方法は知らないだっけ。」
「ええ、知りません。誠慈兄さんは何故使えたんですか?」

誠慈はその場に座る。

「昨日の夜な、親父が俺の部屋に来てな‥‥」


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