投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

fantasy ability
【その他 その他小説】

fantasy abilityの最初へ fantasy ability 107 fantasy ability 109 fantasy abilityの最後へ

reality ability‐第2話‐北の町、white town‐-11

・上級神・

=苗字と名前がある天使。幻想の力の高等詠唱が使える。現天界に7つの家族が存在。
それに神城家と神坂家を合わせると9つの家族が存在してたことになるが、昔は11の家族が存在してた事もあるらしい。=


それからの事は、結は他の神に対して恐怖心を抱(いだ)き、祐は他の神に対して信頼を無くしたようだ。
だが、ある日にカオスの現四天王である死神 誑笥に出会う。この出会いが祐と結の人生を大きく変えた。
後は世の中を憎んでいた力を復讐に変えた祐と結は、自然と力を付けていった。二人はその力で周りを圧倒し四天王となり、現在へ至る。

「‥‥‥」
「情けないわね。」
「!!‥何を!」
「あら?私たちだって同じような苦しみをしたわ。‥‥お父様を失い、“神”としての立場をね。」
「‥‥‥」

光の言葉に祐は反論出来なかった。確かに、神城家も名誉や立場を失った。だが、神城家は落ち込む事なく、必死になって皇希を探した。

「まぁ、環境が違うから私たちと貴方たちの苦しみの受け方も、当然変わってくるでしょうね。」
「‥‥‥」
「‥‥でも、貴方たちの判断を個人的に応援してあげるわ。‥‥私はね。」
「お情けですか?」
「どう受け止めても構わないわ。」

‥‥半分は優しさだろう。梛から受け継いだ“情(こころ)”。

「さてと、帰るか。」
「‥‥いいんですか?僕らを殺さなくても?」
「‥‥何度も言わせるな。俺たちはお前たちを殺さない。‥‥どう生きるかは、お前たちが決めろ。ただ、絶対に死ぬなよ?」
「‥‥‥」
「もし死んだら、私たちが貴方たちを憎むわよ?‥‥まぁ、“神”にとって“死”は、あまり意味が無いけどね。」
「‥‥‥」
「じゃあな。」

〈ザクッ‥ザクッ‥〉

誠慈はゆっくりと来た道を戻り始めた。

「最後に貴方たちの事は後で、必ずどうにかするわ。‥‥私たちも、まだ“罪神”だからね。‥‥さようなら。」

〈ザクッザクッ‥ザクッ‥ザクッ‥〉

光も誠慈の後に追い、最初は駆け足で行き、追い付いた途端に歩きに変わり進んで行く。

「‥‥‥」

祐は眠っている結を抱きながら、誠慈と光の背中を見送った。

〈ポタッ‥‥〉

どこからか水滴が落ちる。その水滴が雪を溶かす程の熱さを持っていたようだ。辺りの雪はかすかに溶けた。

「‥ぅ‥‥ひっく‥」

祐が泣いていた。彼は何故泣いているのか、自分自身すら解らなかった。すると、

「‥‥兄さん。あたしは神城家を信じます。」
「‥‥結‥‥」

結が目を覚ました。結は一人で立ち上がる。そして、優しさが籠(こも)った表情で喋る。その笑顔はさっきの結からは無かった表情であった。

「だって、光様はあたしの心を解放してくれたから。」
「結‥お前!?」

祐は以来の結の表情になっている事に驚いた。当たり前である。10万年前から見ていないのだから。

「光さんは優しくないって言ったけど、あれは間違えなく優しさでしたよ。」

結は笑顔で光の背中を見つめている。


fantasy abilityの最初へ fantasy ability 107 fantasy ability 109 fantasy abilityの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前