「なぁなぁ」-1
「あ、ぁっ」
香子の薄い腹の中に、俺のモノが入っていく。
「みや、さん、い、たい」
俺の腕の中で、香子が苦痛に顔を歪ませていた。俺はそれでも止まらずに、自身のモノを入れていく。
香子の肉が俺のモノを押し返してきて、愛液が二人の秘部に絡んでくる。かなり濡れていても、まだ痛みはあるらしい。
「我慢しろ」
「くぅ、いっ、う、ん」
香子は小さく頷いて、俺の腕と背に爪を立ててくる。俺と香子との関係は、これで三度目だ。まして、二度目からだいぶ日も立っている。
「や、痛い、よう」
香子の目頭に涙が浮かんでいて、俺はますます腰を振った。一度目が香子にとって初めてだったのだから、痛いのも無理はない。
「香子、身体の力、抜け」
「う、ん」
俺は出来るだけ香子が感じられるよう、腰の動きを緩くしてやる。それでも香子の中はキツくて、俺のモノでいっぱいになっていた。
「あ、あっ、あ」
俺が腰を振る度に、香子は鳴く。以前よりも痩せた香子の身体が、俺の腕の中で小さく震えていた。
俺も久々だったせいだろうか。すぐにでもイってしまいそうだった。
「ふ、あっ、く」
香子の唇が半空きのまま、空気を吸うように喘いでいた。俺の腰が、知らず大きな動きになっていく。香子の顔が、さらに苦痛で歪んでいた。
「あ、いっ、いぁ、あっ」
それでも香子は、俺から逃げようとはしなかった。
まるで子猫のように、俺の胸の中に居て、俺のモノを根元まで受け入れている。必死に絶頂の時間を俺と共にしようとする、この小さな女が好きだった。
「や、宮、さ、んっ。ちょ、と気持ち、いっ」
ぐちゃ、ぐちゃ。
香子の声が、少しずつ熱を帯びていた。俺もそれに合わせて、モノを突き入れていく。この愛する女の、全てが欲しい。
俺はこの女を愛している。誰よりも、愛している。
「ひぃっ、はっ、はぁ、ぁあっ」
でも、一番じゃない。
俺は空いた手で、香子の胸をわし掴む。香子の顎が持ち上がって、俺に小さく頷いた。
何も言わなくても、香子が気付いた。
俺に、限界が来る。
「うっ」
「ひぐぅっ」
限界から四回目のスライドで、俺は腰を振るわせた。自分のイチモツが、自分のものとは違う別の生き物のように鼓動する。
「みや、さん、の、が」
香子の肩や腰が、小さく痙攣していた。香子は必死に俺へと腕を回してきて、何度も俺の名前を呼んでくる。
「あぁっ、ひぃっ」
香子の膣が震えて、俺のモノから精液の全てを搾り取っていく。
びゅ、びゅ。
「あ、ぁ」
香子の腕から力が抜けて、俺の背中からズレ落ちた。俺と共に、香子も果ててくれたらしい。
俺は香子の部屋で、彼女との繋がりを終えた。
深夜一時。
大よその人が寝静まる時間に、俺は香子の部屋を訪ねた。
最終電車を逃したんだ。
我ながら、情けない言い訳をしたと思う。だけど香子は「そうっすか」とだけ言って、俺を部屋の中に入れた。
何も聞かれず、ただ「どうぞ」とだけ言ってくれた。
俺の嘘や隠し事ですら受け入れる香子にとって、俺はどんな風に見えているんだろうか。
「いいんすか、宮さん」
二人の繋がりを終えた後、俺は珈琲が飲みたくなった。香子はそんな俺の意思を読み取ってくれたのか、すぐにコーヒーメーカーを出してくれた。