「なぁなぁ」-5
「宮さん」
ぐちゃ。
俺のモノが入ろうとしたところで、香子の腰が浮いた。糸を引いたのは、俺の精液ではなく香子の愛液だ。
俺のモノは香子の唇で、丹念に舐め取られていた。だから、少しくらいなら大丈夫だと思ったんだろうか。
それとも、そうなったらそれでもいい、なんて思ったのだろうか。
「はぁ」
小さな溜息を付いて、香子が俺から離れていく。
「そんな泣きそうな顔、しないで欲しいっすね」
俺はそんな小さな背中を愛しいと思った。
狂おしいほど、抱きたいと思った。こいつに、俺の全てを注ぎ込んでやりたい。そう思った。
だから、その通りにしようと思った。
でも、香子の笑顔は冷静だった。
「ただの、冗談っすから」
俺が欲の全てを香子に向けようと決意したのに、香子は笑顔で戻ってくる。その手には、ゴムが握られていた。
俺は、決断を、投げた。
香子が俺のモノにゴムを被せて、自分の股を開いていくる。
今度は何も言ってはこない。俺も、何も返さない。
「い、んっ」
香子の膣が、俺のモノを抱きこんでいく。
ゴム越しの香子の中は、さっきよりも温度が温くて、狭かった。
翌日、買い物に出かけた俺らは、香子にお揃いのマグカップをプレゼントした。
香子はそれを受け取り、本当に嬉しそうに言ったんだ。
「次の最後の日までは、大事にします」
と。