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キレイなキミへ
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キレイなキミへ-1

 頭が痛い。学校に行きたくなかった。
 勉強は、嫌いではない。嫌いなのは人。
 誰かの、誰かに対する、悪意の塊が襲ってくるような気がして。その誰かが、自分のような気がして。
 みんな楽しそうに笑って過ごすけど、僕にそんな事はできない。笑顔の下に、汚いものを隠してるから、それを見てしまう自分が嫌いだから。
 まだ、学校に行きたくない。心が痛い。
 こんな汚い僕がいなくても、みんないつもと変わらず、笑って過ごせるはずだ。

 それでも、キミだけは違った。
 こんなに汚れてる僕を、綺麗だと、汚れてなんかいないと、そう言ってくれた。
 そう言って笑ったキミこそ、本当に綺麗だった。
 そんなキミはもういない。
 でも、キミが綺麗だといってくれた僕は、まだここにいる。
 キミが言ってくれたほど、僕は綺麗じゃないけど、綺麗なキミに、ほんの少しでも近づくために、僕は綺麗になりたい。
 やっぱり学校に行こう。
 キミが教えてくれた、綺麗な世界を見るために。
 キレイなキミを忘れないために。


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