罪人の塔〜罪深き私の物語〜-1
ここになぜ来たのだろう
私はなぜ生まれてきたのだろう…
【罪人の塔〜罪深き私の物語〜】
終わらない鼓動…
唾液で濡れる私の唇…
私は確かにここにいる
生きている
なのに、この死んだような感覚は何故?
暗い……
暗いよ………
誰か助けて!!
祈っても叫んでも誰も返事はしなかった。ノドが枯れても潤す水すらない。乾いた囲いの中…。私はどうすることもできなかった。
誰か知っている人の名前を呼ぼうとした。だけど、それが思い出せなかった。私は一人孤独に怯えるしかなかった。
絶望………
この言葉はこの場所を意味するに等しいだろう。
希望……
裏切られ、引き裂かれ、それでも夢見てしまう幻覚……
私の自我がいくら崩壊しようと、冷たい壁は私の声を返すばかりだった。私は私が信じられない。自分の姿を確認する鏡すらない。何もない。何もない!!虚しい。悲しい。そして、寂しい。全ての負の感情が脳に刺激を与える。だけど、それは刺激で終わってしまう。
キィィィィィィィ…
…………………!!!
急に囲いの扉が開いた。
私は背筋が凍りそうになった
一体………誰が………
私は辺りを見回したが、誰一人ここにはいなかった。