罪人の塔〜罪深き私の物語〜-6
「ごめんね……。私、あなたに気付かなかった。本当にごめんね……。」
私はこの子を抱きしめた。
そう、ここは生まれる前に死んでしまった子供達が最後に生きる期間を与えられた場所……
私は高校の時、子供を下ろしていた。名前すらない子供……。不本意な妊娠……。持てなかった責任。金だけ置いて逃げた男………。
私はこの子を愛してやれなかった
守ってやれなかった
今、目の前にいるのは私の子供……
「ママ……。そろそろ行こうか?」
私は静かにうなずいた。
「そうね。行きましょう。」
私は子供の手を強く握りしめ、塔からゆっくりとこの重い身を投げた。
もう………一人じゃないのね………
そう、私は一度死んだの。
裏切られ、裏切られの日々が辛くて、生きることに疲れて、駅のホームに身を投げて…
この辛さは……
生きているだけで罪だった…
ここは罪人の塔……
罪を犯した人間を処刑する場所……
あなたは罪を犯していませんか?
ワタシノツミハ、オモスギタ…