罪人の塔〜罪深き私の物語〜-5
歩かなきゃ……
そろそろ行かなくちゃ…
涙が枯れた頃、私は再び立ち上がり、階段に足をつけた。
私は………今の私は私じゃない!
行かなくちゃいけないんだ!
この先に何が待ち受けていようとも…
私は上がった。足が引きちぎれそうになろうとも、体が破裂しそうになろうとも…
ただ終わりを求めて先へ先へと進んだ。
そして……
「扉………。ようやくついたのね…。」
この扉が終わりの扉だと私は感じた。私はもう限界だった。だけど、この先には何かがある…。それを信じて、私は扉を開いた。
…………………!!
そこには、何もなかった
いや、本当に何もないわけじゃない
だけど、何もないとしか言いようのない光景…
汚い屋上の石畳
乾いた風が漂い、異臭を運んでいる
周りには砂漠のような灰色の大地、空襲でもあったかのように赤黒い空が広がっている。ここは別世界だとしか思えなかった。
絶望………
私は味わったことのない程の絶望に全てを壊された
あまりのショックにノドが潰れそうになった
膝がガクガクと震えた。
………あ!!
見渡すと、あの子供が座りこんでいた。
私は空虚な気持ちで子供の方まで歩いた。
「………遅かったね。」
子供は、私に気付くと、そう言って私の顔を哀れむように見つめた。
「私………。これからどうしたらいいの?」
子供は立ち上がり、私の側に来て、私のお腹に静かに手を当てた。
「最初に言ったよね。キミ自身の感覚で全て分かるって……。もう分かったでしょ。ここがどういう場所なのか…。」
子供がそう言うと、私は全てに納得ができた。
そうか………ここは………