罪人の塔〜罪深き私の物語〜-4
「キミ…生まれた時からそこにいたの?」
私は途中、子供にそんなことを聞いた。
「ううん。僕はここで生まれたわけじゃないよ。他の仲間は知らないけど、僕はここじゃない。」
やはりこの子が言っていることは、どこか奥が深くて意味が理解できなかった。
"家族は………?"
"友達は………?"
"ここにはキミ以外誰がいるの?"
色々聞いてみたが、これ以上のことには一切反応しなかった
………あとどれだけ上がれば頂上につくのだろう
いつしか、私は疲れ果てて、私と子供の距離は次第に広がっていった
うっ…くっ……
もう膝が限界だった。これ以上歩けない!!私は小さくなっていく子供に向かって叫んだ。
「置いてかないでよ!!」
子供はそれが聞こえていないのか、無視をしているのか私の方を見向きもしないで私の方から遠ざかっていった。
「いやだよ!!見捨てないでよ!!ねぇ!!」
そのまま、あの子供の姿は見えなくなった。
…………………。
どうしよう、私……
私はここに来て始めて涙を流した。最初一人でいた時ですら泣かなかったのに…
ここで再び一人になってから、一人でいることの悲しさが急に込み上げてきた。私の荒くなった息とすすり泣く声だけが、この残酷な塔の中で響いた。