罪人の塔〜罪深き私の物語〜-2
ペタ………ペタ……
いや、耳を済ましてみると何やら小さな足音が聞こえている。それが一体何者なのか…。私は怖かったが、それを抑え、この囲いから抜け出し、外へ出た。
気味の悪い廊下が続いている。私は後ろを確認しながら、先へと進んだ。
廊下の床は冷たい。素足の私にとっては歩くことが苦痛でたまらなかった
廊下の奥には木造の扉があった。廊下を照らしている蝋燭の火がまっすぐになっている。風はないが、わずかな酸素はあるのだろう。私はその蝋燭を一本、手にとって扉を開いた。
ギギギギギギ………
扉は誰も使っていないのか、少し重かった。そして、その先の景色に私は目を疑った。
無数の白骨……
そして、傷一つなく果てていった子供のミイラがあちこちに散らばっている。私はここにいることが恐ろしくてたまらなくなった。私は目の前の光景を何度も疑った。だが、この光景は現実だった。
「………なんなの、これは!?」
ペタ………ペタ………
灯りの見えない場所から今度はこちらに足音は近づいてきた。それはあの時感じたものと同じ感じの音だった。
その足音にはなぜか恐怖を感じなかった。だから、私はその方へゆっくりと近づいた。
ペタッ……
足音は急に止まった。蝋燭を手前に照らしてみると、そこには小さな子供がいた。
「………あなたは、ここに住んでるの?」
私は恐る恐るその子に声をかけた。
「………………。」
その子は無言のまま、私の周りを円を描くようにペタペタと歩いた。そして
「きている………生きているんだね。」
と言った。私はこの子の放つ安全であるがどこか不気味に警戒しながらも、少しだけ信じた。
「そうみたいね。ねぇ、ここはどこなの…?」
そう聞くと、子供は側に転がっているミイラを抱き寄せて、こちらに顔を向けた。