ちいさな想い-1
今、私はあなたの匂いに包まれている。
少しだけ残ったあなたの体温にも。
初めて体験するこの南国の地の冬。
みくびり過ぎてた私の格好は、いつも薄着。今日はさすがに耐えきれなくて。
「あなたのパーカー貸して」
言っちゃった。
でも本当は半分以上、冗談のつもりで言ったのに。
「えー、ヤダよー」って答えながらあなたは、
パーカーを脱いで、
私の頭にかぶせた。
「風邪ひいたら責任取れよー」
なんて笑いながら言って。
あなたの匂いに包まれて、
少しだけ残るあなたの体温にも包まれて、
私のココロにやどったちいさな想い。
『私、あなたのことが好きです』