猫の恋物語・後編-4
それから、コウは旭と散歩するのが日課になった。
「コウ、行くよ」
旭の後ろをひょこひょこと歩く。
コウの隣には泪もいた。
近所の人もコウみたいな猫なら飼いたいと声が上がるくらい。
旭の言うこと聞いていた。
しかし・・・・・それはほんの数日の幸せだった。
「コウ、仕事行って来るね。待っててね」
「にゃー・・・・」
旭はコウの頭を撫で家を出た。
数時間たって・・・コウの体に発作が起きた。
酷い痛みが体を蝕む。
『痛い・・・・旭・・・旭・・・痛いよ・・・・』
コウは必死に耐えた。
『あと少し・・・・あと少し・・・・もってくれ・・・ここで死ぬわけにはいかない
・・・・』
痛みが続く。
いつもと違う痛み。
『ここで・・・・死んだら旭が悲しむ・・・だから・・・死んで・・・たまる・・・か・・・』
「コウ、ただいま」
旭は仕事から帰宅し、コウを抱きかかえ膝に乗せた。
「にゃー・・・」
コウはおかえりと伝えた。
その瞬間・・・・コウの体はビクっと痙攣が始まった。
「コウ・・・」
コウはピクピクと体が痙攣し、呼吸もなくなり、どんどん冷たくなっていく。
ー旭・・・・愛してる・・・・・今度、もし生まれ変わるなら・・・旭と同じ人間になりたいな・
・・・・ー
コウは死んでしまった。
旭は冷たくなったコウの体を見つめ涙を流した。