猫の恋物語・後編-2
ある日、そのトムがいなくなった。
原因は姑がトムを他の人間にあげたからだ。
「ちょっと、なんで勝手なことするんですか!?」
旭は怒りで声を張り上げる。
「猫なんていくらでもいるじゃない!!1匹ぐらいあげても、どおってことないじゃ
ない!!」
姑も負けじと言い返す。
嫌な言い方だ・・・・。
妻のマイも泣きそうな顔をしている。
泪は不安そうな顔をしてコウに抱きつく。
そして、一番怒っているのはアムロだろう。
今にもアムロは姑に襲い掛かるような目で睨んでた。
コウも冷静な顔をしているが内心、怒りでいっぱいだった。
結局、トムは戻ってくることはなかった。
真夜中、人間が寝静まった頃、家から抜け出す猫の姿があった。
コウだ。
『行くのですか?コウ』
コウの後ろにはマイの姿。
『ああ、トムを探す。ボクの息子だから・・・・あいつが幸せになってるか見極めてくる』
『でも、あなたはそれでいいの?旭ママの側にいなくていいの?』
マイは聞いた。
『ああ、泪がいる。それにアムロだっているだろ』
『でも!!コウ、あなたは、あなたは・・・旭ママのこと・・・』
『言うな!!』
コウの制止でマイがビクつく。
コウは後ろを振り向かず、言ってくると言い、歩きだした。
『マイ、アムロに伝えてくれ。ここを頼むと・・・・』
コウはこの家から立ち去った。
『これでいいのか?お袋・・・』
後から現れた、アムロがマイに聞く。
『アムロ・・・・わかっていたのよ・・・。アタシ、コウが一番愛してるのは旭ママだって事・・・・』
マイは涙を流した。
アムロはため息を付いた。