チキンのススメ!-1
―君らしい君が、
ずっとここにいた事
今もここにいる事
『私ってどんな人間に見えますか?』
オレは困惑していた。
真っ直ぐにその黒い瞳で
オレを見て
怖い位に鋭く、それでいてねっとりとした…そんな
悲しみをぶつけてくる彼女に…
『私って一体何ですか?』
その言葉は…とても悲しくて…
心の中が、冷たい何かで満たされていく気がした…
『私にはもう…』
怖い
なんか、怖い…
『分からない…っ』
彼女の涙まじりの叫び
それは、消え入りそうな程切なくて…
夕暮れの公園に、
そして臆病な心に…
さみしく響いた
〈ピエロ〉
「ちっくしょう!人をまるでMみたいに言いやがって!」
オレ、黒木糸は、放課後の学校から逃げだした
放課後の教室で酷い仕打ちを受けたからだ
今日の授業はイマイチ退屈で…世界史とか特に憂鬱で、みんなダレて教室から出られないでいた
『おい、糸』
『なにさ?』
『なんか、この場を盛り上げる一発ギャグを…』
友人A、男、
基本的にクール…がいつもの無茶ぶりをしてくる
『お前、今のこの空気でそんな事したらみんなの〈何してんだコイツ〉的視線の的になるだろ!?』
『何言ってんだ…お前はその為に生まれたドM戦士だろ…?』
『なんだそのすぐ負けそうな戦士!?しかもMですらないぞ!』
『そ、そうだったのか…』
友人B、男、
ある意味天然、が驚く