チキンのススメ!-5
「てゆうか、本当に今日はどうしたの?落ち込んでる…よね」
オレは勝手に温かい気持ちになったが、彼女はいつもと明らかに何かが違う…
「何でです?」
「なんか仕事に疲れたOLみたいだよ?哀愁すら感じる…」
「哀愁…って、なんかオヤジ臭くていやかも…ソレ」
否定はせずに、ソレを認めて気にするって事は―…
「図星って感じ?」
「ぅあ…意外に糸さん鋭い…」
「そう…?」
「え?…ぅ」
オレはじっと彼女を見つめた。彼女が困る位に
何故だか彼女の気持ちが知りたい
前々から思ってたけど、
やっぱり彼女の事が好きなのかも
可愛いからってのもあるけど、
すごく家族思いで…
家族を大切にしてて、
家族が大好きな所
それに、
彼女の子供っぽくて純粋な部分と、普段のあどけない顔
落ち込みやすくて暗い部分そして、その時垣間見せる大人な表情、
その落差を見せつけられた時、何か引き込まれる気がしていた
と言っても喋ったりはしてないけど、
何年も朝顔を会わし、
学校でも一緒になって
帰りも時々顔会わして…
まぁそれで、彼女の表情を知らない方が変だ…
とりあえず彼女を目で責め続けてみる…
「えっと、あの…」
かなり困っているようで、一瞬うつむいてしまう…
「やっぱオレなんかじゃ、話したくない?」
「…」
彼女は言うのをためらっていたが、少しして、意を決した様に喋り始めた
「…親と、ケンカしたんです。」
「ほうほう」
(だから言いにくかったんだな…)
オレの〈境遇〉を知ってる彼女は、どうやら気を使ったらしい