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チキンのススメ!
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チキンのススメ!-4

彼女とオレは、幼稚園からご近所さん

学校もずっと同じで…
登校時間も同じ位で…

なのにイマイチ喋った事がない、

避けてる訳でもないし、
挨拶位はするけど…

それ以上はない、

それはきっと

彼女が〈糸さん〉と名前で呼んでくれてるのに、
オレが気恥ずかしくて名字で呼んでしまう…

そういう所に由来するんだろう

それは実質的な話じゃなくて

そういう心の持ち方が、
この微妙なある意味ご近所さんっぽい関係を生むんだと思う




「てな訳でさ!あいつら酷いよなぁ」

数分後オレはやっと喋り終えた。

彼女の話を聞く流れだったはずが、何故か自分の愚痴を聞いてもらってしまった。

ま、いいか

「私はそれを聞いてどうすればいいのやら…?正直困惑気味…」

と言いつつも、彼女も最後まで聞いてくれていた

「でも、なんか糸さんらしい…のかな」

何だか感慨深そうに呟く

オレはそこに少し違和感を感じた

(〈らしい〉の部分が妙に重く感じた…のは気のせいか?)



「雨乃さんまで!オレはどんな風に映ってんのさ!」

感じた疑問はおいといて
オレはおどけてみせた

「糸さんは、そうですね…
イジられててうるさいけど
…前向きで、明るくて、

人に気を使えるいい人…
って感じ…かな?」

言ってる彼女の顔が、少し赤らめてきて…何だか
ドキドキする

「そ、そう?最初は余計だけど、言われて悪い気はしないな」

そんな真面目に返されるとは思ってなかったけど、
何だか不思議と温かい気持なった。

彼女に認められた気がしたし、

自分という人間の感想とでも言うのだろうか?
そういうのを誰かに示して貰うと…そこに例え悪い面も含まれていたとしても、

少し自分を誇らしく感じる
自分にちゃんと個性があるのが分かるっていうか…

オレってこういう人間なんだなぁって思う


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