チキンのススメ!-3
『クソッ !クソッ!オレは本当はSなんだ!いつかオレの隠れ持ったS的要素でビックリさせてやる!』
と、喚きながら走っていると…いつの間にか、近所の公園についてしまった
(くっ、疲れてきた…少しここで休も…)
あいつらはオレに追い討ちまでかけるのか…
(ん?)
感傷にひたっていると…
見慣れた顔を発見
(雨乃さん…?)
公園のベンチには、
一人の女の子が座っていた
オレの知り合い
可愛いらしい彼女は
オレと同級生の雨乃衣胡
(アマノ・エコ)
だった
彼女は、黒いTシャツに、黒いジーパン…という、
ボーイッシュな?恰好をしている。
でもその少しシンプルな、子供っぽい恰好が彼女らしくて、いい気がする
私服って事は、一度帰ったんだな
因みに家は隣
昔から知ってる
「こんちは!雨乃さん!」
近づいて挨拶すると
一瞬驚いたような顔をした
「糸さん…?こんにちは」
何か力のこもらない挨拶が帰ってくる
改めて見た彼女は、如何にも可愛らしくて、純粋そうで…
そのクセ見た目に反して
割とクール
いつもは明るい時もあるが、ふと大人びた雰囲気を出すからビックリだ
加えて今日は何故か落ち込んでいるように見えた
「なんか、元気ないね…!どうかした?」
「糸さんこそ、学生服で
こんな所にきて…何か用事でも?」
「用事って訳じゃないけど、実はさぁ…」
オレは唐突に今日あった事、さっきあった事を夢中で話した。
彼女と会話が続きそうなのは、久しぶりで、嬉しかったからだ