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チキンのススメ!
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チキンのススメ!-17

「オレが保証するよ

君らしい君が、

ずっとここにいた事

今もここにいる事、

オレは知ってるから…

君は君だから…!」


それは意外にすぐに出来て
綺麗な顔をしてるかは分からないけど、
きっとそれは昔流した涙のおかげだろう

「ちょっとクサい…」

「がっ、分かってたけど面と向かって言われるとキツイ!」

「でも、糸さんらしい…」

彼女は泣きながら笑っている

「その顔なんか衣胡ちゃんらしいよ!」

「フフッ…ありが、とう」

そして本格的に泣き出す


「っ…怖かった…誰も認めてくれてないと…思ってたからっ…そしたら、なんか自分って何なのかなって…

…自分を認めて欲しかったのにっ…

いつの間にか自分が一番分からなくなってた…」

「うん」

「でも、糸さんが…っ

教えてくれた…から」

「分からなくなったら、
いつでも言ってよ

オレの中には…衣胡ちゃんがちゃんと、いるから」

「うん…っ、ひっ、ん…」

彼女はひたすら泣いた

「きっと、みんな分かってるから…言葉にしないだけで…分かってるから」


そう言うと、彼女が手を
握ってきた

一瞬戸惑ったが、

オレも握り返した


そのまま、目を閉じる

勿論真っ暗で、

それでも、

手があったかくて

彼女がいる事が分かる、

温度の差で、

自分がいることが、
目を閉じててもちゃんと分かる

(人って、こんなにあったかいんだな)


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