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ラストサムライ
【歴史 その他小説】

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ラストサムライ-1

辺りは血で埋めつくされ、右手に握っている刀は、もはや刀の役割をしていなかった。
なぜ、そうなってしまったのか、俺は、たった数分前の記憶をたぐりよせるように思い出した。
発端は、些細な事だった。
メシ屋で飯を食っている時、町人に「血税喰いの芋侍」と言われただけだった。
後は、余り覚えていない。抜いたとこまでは覚えているが、その後の記憶は、今まで飛んでいる。

ため息が一つ漏れ、俺はその場に座り込んだ。
思えば明治維新以来、俺達は虐げられてばかりだった。
あの頃は、俺も維新に、攘夷にと燃えていた。そして、そんな俺らを世間も認め、尊敬してくれていた。あれから、箱館戦争から3年。
すべてが終わると、俺らは時代遅れの遺物だった。世間も、俺らを排除し行き場をなくした。

遠くに、巡査たちの駆けてくる声が聞こえる。

結局、幕府の犬が消え、新しい犬に取って代わっただけだった。
俺達は、そんなもののために命をかけたのだった。
奴らの下で生きるなら…

俺は、刃の潰れかけた刀に手をのばした





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