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解けない紐
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解けない紐-1

「うん、三万でいいよ」
はずんだ声で、ユカが携帯で話している。
今日も客がつかまった。ユカは十六歳。
彼氏のタケトと同棲している。タケトは無職だ。そのタケトを養うため、ユカは援助交際をしていた・・。
二人は普通に出会い普通に付き合っていた。
しかしユカのあまりにも深い嫉妬が原因でタケトから別れ話を切り出された時、ユカは自ら体を売った。
タケト以外の誰にも抱かれたことが無いユカ。
そうまでして別れたくない理由はユカ自身にもわからなかった。
ただ、好き。なぜ好き?わからない。
ユカには自分がタケトを体を売ってまで繋ぎ止めたいかどうかが、わからなくなっていた。
「ただいま。」
家に帰るとタケトは寝ている。
「あんたはいいよね。」
働かず楽をしていれば自分が金を稼いでくるのだから。
ユカの中ではタケトと別れ売りをやめたいと言う気持ちが大きくなってきていた。
ユカはタケトに思いをつげた。するとタケトは、
「愛してる。見捨てるのか?」
とすがりついてくる。これまでなんどそういっていいくるめられたか。
「私は、もう疲れたのよ・・」
もうタケトの愛の言葉も信じられなかった。
やっとユカを縛り付けていた紐が、解けた。
でもユカの心には毎日、タケトの事しか浮かばなかった。
別れて清々したと思っていたのに、涙か流れた。こんなに苦しいのはなぜ?
また新しい紐が、ユカを縛る・・。



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