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ツバメ
【大人 恋愛小説】

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ツバメB-4

「綾瀬さん」
『……はい』
翌日、福岡は椿芽に声をかけた。
『なに?』
「昨日…驚いた?」
福岡は苦笑いしている。スーツを着ているとまともなのに。
『まあ…』
「ごめん」
『いいよ、そんな』
「僕、高校からああいうのに目覚めちゃって…割りと引きこもってたんだ」
『……』
「でも、そんなんじゃ生きていけないって思ってね、独学だけど、家で猛勉強始めて、いい大学に入って」
『うん』
「ああいう趣味は卒業しようって思った。でも、やっぱり今でも捨てられない」
『そっか、仕事が大変になればそれどころじゃなくなるよ。頑張ってね』
「うん、ありがとう」
福岡は腕時計で時間を確認すると、素早く振り返り、早足で去って行った。
『……』
その後ろ姿はやはりエリートのようで、やっぱりかっこよく見えた。
福岡くんはいつか、そういう趣味をやめられるよ。
そう心の中で呟き、あたしは仕事に戻った。


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