友達以上、-1
夜中の3時過ぎ。
聞き慣れた着信音が部屋に鳴り響く。
寝ぼけ癖がある私でも、誰だか一瞬で分かる。
それと同時に、いつもの嫌な予感がする。
『…はい。』
不機嫌丸わかりの声で電話に出る。
『もしもしー!!??今何してるんー!!??』
…声大きい。耳痛い。
『…寝てた。』
てか時間見れば普通分かるだろ。
『ほんまにー!?もしかして俺悪い事したーん??ごめんなあ!!!』
…ほんとにね。
『そんでどしたん?』
分かってながら聞いてみる。
『なんもなーい!!みゆきの声聞きたくなってん♪』
やっぱりか…
『やからって、毎日はやめてくれんかなあ?』
『なんで!!??俺みゆきとしゃべりたいもん!!』
さいですかー。
『こんな夜中じゃなくても…』
『俺夜中以外はバイトとか遊びで忙しいねん♪それか、あれか?みゆき俺としゃべりたないんか!?え!?』
また始まった…。
『そんなんじゃなくて…。』
『なら別に電話してもいいやん!!な??』
『駄目って言ってもかけてくるくせに…。』
『え?何?聞こえん!!』
『なんもなーい。てか眠いし切っていい?』
明日早いし…
『いやや!!かけたのは俺や!!切る権利は俺にある!!!』
そんな権利初めて聞いたって。
『…。』
『じゃあっ!!今はとりあえず切るから、また朝にみゆきからかけてや♪』
じゃあって何…。
『いややわ。そっちからかければいいやん。』
『俺電話代やべえんだよ…金ねえんだよおお!!』
じゃあ毎日かけんじゃねえよ!!
ああもう本当馬鹿だ…。
『分かった。あたしからかけるから。』
あたし何言ってんやろ…。
『ほんま!!うわーさすがみゆきや!!俺の女なだけある♪』
まだなってないし。
『じゃあ寝るわ。おやすみ。』
『うんみゆきおやすみっ♪』
…やっと終わった。
寝よ…。
1分後。
『…次は何!!??』
『みゆきに大好きって言うの忘れとってん♪』
馬鹿超したな…。
『…。』
『みゆき大好きやっ!!俺、返事、いつまでも待つからな!!振られるまで諦めん!!』
『うん…おやすみ。』
『ほんならなー。』
今度こそ終わったな。
…怒鳴ったせいで目え覚めたやんか。
明日ゆってやろ。
あいつの着信音が、あたしが1番好きな歌やって事と、あいつからの電話が楽しみの1つになっとる事は
口裂けてもゆわんけどね!!