しにがみハート#9-3
「…探さないわけ……」
「ねぇだろーが!!!!」
全力で階段を下りて、絢芽の家を目指す。
まだ家にいる。まだ家にいるはず。
「ど、どーしたの孝紀!?」
「ちょっと出かける!」
「補導されないようにねー」
「……あの馬鹿!」
家を出て、すぐさま隣を見る。
そこには、見慣れた絢芽の家が……
無い。
「……何がどうなってんだよ…」
家があったはずの場所は、元の空き地になっていた。
ただ、そこに残されていた一本の鎌を除いて。
「どこ行ったんだよ!!」
哀しい叫びが、夜の住宅街に響いた。