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《本当は君が…》
【純愛 恋愛小説】

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本当は君が…2-1

ミーン…ミンミンミーン
外ではセミが鳴いている。俺は冷房のきいた部屋で勉強しているのだ。涼しいなぁ…

…3ヵ月前、俺はクラスの女子に告白され初めて彼女ができた。断る理由が見つからなかったからだ…一緒に帰った日、由樹にキスをされ、それ以来俺は由樹とはあまり話さないでいた。しかし帰りはいつも誘われるので無言で家まで送っている。彼女とは先が長くなりそうだと思ってもやはり付き合う事は俺にとって難しい事だ

《本当は君が…》

「お前、人の部屋で何やってんだよ」
夏休みまじかの日曜日!今まで俺はのどかに勉強していた。しかし突然、幼馴染みでクラスが一緒の山下 貴春が俺の部屋に入って何かし始める。
「何を言っているのかね!正則くんッ!エロビ観賞ではないですか!」
貴春はニヤニヤと笑いながらテレビをこちらに向けた。画面からは足を開いた女性が『ひゃっあっ…あぁんっ!んっんっぁっ』と声をあげ、男性と交わっていた
「……………俺がそんなの興味ないの知ってんだろ?」
そう、俺は興味がない。どうしてなのだろう。もしかしたら女に興味がないのか?じゃあなぜ付き合っているんだ?と考えながら貴春に止めるよう促す
「だってよぉ〜!正則に彼女ができた!って久しぶりに家に帰って来た兄キに言ったんだよ!そしたらこれ正則に観せてやれよって渡されてさぁ〜」

貴春の兄キには小さい頃から、よく遊んでもらっていた。その兄キが俺に初めて彼女ができた事を知ると、すぐにビデオを探し出したと言う。

「俺には余計なお世話と言うかなぁ〜!」

頭をかきながら言う俺に貴春が今度はキレる

「これ兄キが持ってる中で一番いいやつだぞ!高いんだぞ!!」

ビデオの箱を見せながら、さらにテレビを叩いて言う

「もし、由樹ちゃんが正則とヤりたいって言ってきたらどうすんだ?お前できんのか?俺なら友香とできるぞ?!」

「ヤる訳がない」
俺は即答した。本当にセックスには興味ないんだ!悪いな貴ッ!


「ふぅ…よしッ!!夏休みに日帰りで、俺の彼女入れて4人で海行くぞ!そこでお前は由樹ちゃんと…」

突然何を言い出すんだと思ったが、いつもの口だけで終わる貴春の計画だと考え「へぃへぃ…4人の都合が合ったらね!…」と軽く言った。「約束だぞ!じゃな〜!明日の終業式で」と貴は帰って行った



−教室

「ま〜さ君ッ☆ちょっと来て!!」と貴春に呼ばれ行ってみる。そこには貴春とその彼女=友香と由樹の3人がいた。

「何?」

「何?って、8月1日暇?」

「あぁ……うん、まぁ」

この時俺は無理と言うべきだった


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