ONE DAY ー2ー 〜誕生日?@〜-1
「そういや、もうすぐ誕生日だな」
昼飯を食べてるとき、いきなり大輔が言いだした。
そこで生まれた一つの疑問。
「誕生日って、誰の?」
「お前だお前!」
そう言って箸の先を俺に向ける。行儀悪いぞ。
「精一杯祝ってやるぞ?」
何を企んでんのか、いい笑顔をしてやがる。
しかし、誕生日ねぇ…。
『ONE DAY ー2ー 〜誕生日?〜』
今からちょうど1週間後の6月28日は確かに俺の誕生日だ。
まぁ、この歳になってまで祝ってもらおうとは思わないし、第一そんな柄じゃない。
それでも奏や詩織は祝いに来たりするが。
「誕生日、祝わなくていいぞ?」
「なんでだよ」
明らかに不満げに言う。
「別に。あんまり気が乗らないだけ」
「じゃ聖誕祭するか?」
「キリストじゃないんだから」
「じゃ宴会」
「もう関係ないじゃん」
今回の大輔はなんかしつこい。なんだってんだ?
「しつこいぞ?なんかあんのか?」
イラつきながら言う。すると大輔は顔をそむけた。
明らかになんか隠してやがる。
「おい、何隠してんだ?」
「べ、別に?」
「額に汗掻きながら言っても説得力ねぇぞ?」
それでも大輔は言おうとはしない。
仕方ない。あの手を使うか……。
「お前が言わないんだったら、<あのこと>を和葉ちゃんに言うぞ?」
大輔がビクッとした。
シスコンのこいつは和葉ちゃん絡みだと強く反応する。
ん?<あのこと>ってなんだって?
いや、知らね。ふざけて言ってみたら腰が低くなったから使ってるだけだ。
「…怒らないなら」
お。やっと言う気になったか。
「わかった。怒らないから言ってみろ」
「………実は……言っちゃったんだ…」
「……何を」
あー、なんか嫌な予感。
「正式にお前の誕生会をやるって……」
「……」
マジかい。
「……ちなみに、誰誘った?」
「……春日に工藤、和葉に………水沢だ」
み、水沢も来るのかよ……。絶対ただじゃ終わんねぇ!!