猫の恋物語・前編-1
ボクはコウ。
オス猫だ
そして、ボクが生涯愛し続けた人の飼い猫だ。
それだけは永遠に変らない真実・・・・
「こらー!!!コウ、なにやってるの!!」
13歳くらいの少女がコウを怒る。
(うるさいな・・・いいじゃん別に・・・)
コウが怒られている理由は飼い主である旭の服にオシッコをしたからだ。
旭はコウを怒った後、まったくと悪態つきながらその服を洗濯した。
この時のコウは旭の飼い猫になったばっかりで、よくイタズラをすることが多かっ
た。
(なんで、ボクがこんな子供に飼われなくちゃいけないのさ・・・)
コウは思った。
しかし、それはある出来事でコウの旭に対する感情が変った。
ある日、コウはいつものようにベランダの手すりを器用に歩いてた。
「にゃ!!!」
何かの拍子で足を滑らしたのだろう。
「にゃあああああああああああああ!!!!!!!」
コウは落ちた。
「コウ?!」
旭はコウの悲鳴に気が付き、ベランダから外を覗き込んだ。
幸いなのか、マンションだったため、2階下の家のベランダに落ちた。
外は暗い。
旭はコウを助けるため、2階下の家に住んでいる人にコウを助けるため、家にいれて
くれと頼んだ。
しかし、断られた。
なぜなら、真夜中で夜遅かった。
明日の朝にしてくれと言われたくらいだ。
旭の母は一応それで了承したが、旭は納得いかない表情だった。
コウが心配で明日の朝まで待てなかった旭は丈夫なロープを用意した。