猫の恋物語・前編-2
「コウ、今から迎えに行くからな!!待ってろよ」
旭はベランダの手すりにロープを縛って固定し、大胆にもロープを伝って降りた。
下を確認しながら降りる。
少し体が震えるがコウを助けるために降りる。
「よっ・・・と」
2階下のベランダに到着し、周りを見た。
「にゃー・・・・・」
弱々しく鳴くコウがベランダの隅っこにいた。
余程怖かったのだろう、恐怖で漏らしていた。
酷い怪我はなく。
少しの擦り傷と後ろ足1本が骨折だけだった。
旭はコウを抱きかかえた。
「帰ろっか。コウ」
「にゃー・・・・」
そして、また旭はロープを伝って上へ昇った。
夜の3時ごろだった。
家に到着した後、旭はコウの体を洗い擦り傷の手当てをした。
次の日、コウを病院に連れて行った。
そのあと、旭は勝手に人の家のベランダに入ったことを母から怒られた。
2階下の家の人は少し怒っていたが飼い猫のためだとわかっているので許してくれ
た。
それから、コウは旭の言うことを聞くようになった。
そして・・・旭を愛したきっかけだった・・・・・。
それから、9年ー・・・
旭は結婚して娘が出来た。
夫は直ぐに離婚した。
コウは妹ができたみたいで少しうれしかった。
だけど・・・やっぱり愛してる人が一時でも他の人の物になるのは正直くやしかっ
た。
「コーちゃあ。」
(う〜くしゃくしゃなでるなよ〜)
コウは少し唸る。
攻撃はしない。
旭がダメと言われているから・・・。
(しょうがないな〜泪は)
コウはそう思いながら、旭の娘、泪と遊んだ。
旭は泪を育てるためにホステスの仕事をはじめた。
その間、旭の母とコウが泪の面倒を見てた。