you-1
「詩織、最近どう?」
「普通かなぁ〜好きな人も出来ないし。みぃは?」
「最近、バイトの人が気になるんだよね〜」
「へぇ♪じゃあ、謙君の事は完全にふっ切れたの?」
「うん、完全にふっ切れたよ」
「始めは向こうがみぃの事好きだったのにね〜」
――『僕の好きな人は、みぃちゃんだよ』
小学1年の時に君に言われた言葉。
私(みぃ)はその時、恋とかそういうものをまだ知らなかった。
だから君に『好き』と言われたのは嬉しかったけれど、その『好き』が何なのかよく分からなかった。
でもだんだん人に恋をする『好き』が分かってきた。
そして、小学2年の夏、親友の詩織に打ち明けた。
『私、謙君が好き』
私に初めて告白してくれた君、謙君を私は好きになっていた。
優しくて面白く、人気者の謙君。
意識するとなかなか話せない。
話すとドキドキする…
初めての感情。
小学3年のバレンタイン。
私は謙君に告白した。
でも好きな人は今、いないから、とフラれた一度目の告白。
でも、諦めきれず中学2年まで謙君を好きだった。