第三話 球技大会は楽しい会?-1
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高校生活も早一ヶ月。毎年この時期は清明高校では、クラスの親睦を深める為に球技大会が行われる。
今はその球技大会の出場球技を決めるためのホームルーム中。
「え〜それじゃあ来週行われる球技大会『宝鈴祭(ほうりんさい)』の出場球技を決めたいと思うの。」
教壇に立ち話すのは、和真が在籍するクラス?―Cの学級長 叶花 美月(かなはな みつき)。
サバサバした性格だが、やるべき事はしっかりこなすリーダー気質により信任を得て学級長となった。ちなみに超運動少女。
その横でチョークを持ち、黒板に書く準備をしている男が?―C副級長 郷中 紘(さとなか ひろし)。
あまりパッとしないが、与えられた仕事を正確にこなす、控え目な文化系少年。眼鏡はかけていない。
「私達一年生が出場できるのは、バスケットボール、サッカー、バレーボールの3種目。必ず全員どれかの球技には出場してもらうわ。」
みんな各々どの球技に出るかを友達と話し合ったりしている。
何故かこの学校の球技大会は男女合同なのだ。女子は危険で仕方が無い気がするが、どうしようもない。
「やっぱりやるからには良い成績残したいじゃない?だから出来るだけ一番得意な球技に出るようにしようよ。それじゃあ、みんな明日までに決めておいてね。これでホームルームを終わります。」
みんながザワザワしている中、和真は考えていた。
「どれにすっかな〜。どれでもイケるんだけどなぁ。」
和真は昔から格闘技を習っている為か、運動神経はかなり良いのだ。
「まぁ枠が余ったヤツでいいかな。」
なんて考えていると、
「ねぇ、武藤君。」
学級長の叶花が話し掛けてきた。
「ん?何?」
「あの、武藤君ってスポーツ出来るよね。」
突然の質問。
「ん〜まぁ出来るけど、なんで?」
やはり和真の外見を怖がっているのか、叶花はいつもの様なハツラツとした態度でなく、少し伏せ目がちにオドオドした感じで答えた。
「もし・・よかったら私とバレーボールに出てくれない・・かな?武藤君が入ってくれたら、すっごく強くなる・・・と思うの。」
ちょうどどれに出ようか迷っていた和真は、
「ああ。ちょうどどれに出ようか迷ってたんだ。バレーでもいいよ。」
「ホント!?ありがとう!!」
これで話が決まったなと思った瞬間、
「あっ!じゃあ俺もバレー出る!!」
と、三輪が話に加わってきた。